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知不知上

学会長   田中浩二

 第12期学会長を拝命いたしました田中浩二です。
 比較眼科学会には1985年に筑波大学で開催された比較眼科研究会談話会にペンシルバニア大学のRubin 先生をお招きした時代から、長年に亘りお世話になっています。この当時はラットの眼科検査など無意味であり、自然発生病変など全くない、というのが日本国内の通説であったと記憶しています。ところが、このRubin先生のご講演を機に、各研究機関から多くの眼病変が報告され、ラットの眼にもいろんな病変が生じることが明らかとなってきました。その後、検査機器や検査法に改良がみられるとともに、多くの研究機関で同様の検査手順が用いられるようになってきたことは病変の基礎を相互理解する上で大きな進歩であると思われます。この歴史ある学会に大きな変革が2000年に生じました。臨床部会の設立です。それまでは基礎研究が主な学会活動であったのですが、獣医眼科診療という新しい大きな柱を得たことで、動物眼科における基礎科学から応用科学に至る全ての分野を本学会で網羅することが出来るようになりました。そして、会員数のみならず、活動や発表についても本学会が飛躍的に発展したことは記憶に新しいことと思います。
 本学会の特色は一つの器官に関する基礎と臨床が共存かつ協調しているところにあると云えます。つまり、学術分野で縦割りされ、それがために、ある器官を探求するには各分野間での情報共有を必要とする多くの学術団体とは対照的に、本学会は眼という特殊器官について全てを学ぶことのできる環境を提供するところに大きな魅力を有していると考えられます。
 しかし、一方では多岐に亘る活動が故に、本学会の舵取りを複雑にしていることも事実です。年次大会のみならず、基礎部会と臨床部会の研究会、機関誌の発行、資格制度の維持、教育制度のさらなる充実、また、諸外国との学術交流を視野に入れた行事など等、目まぐるしい日々が続きます。これら全てを滞りなく推し進めるには執行部各理事のご尽力はもちろんのこと、何より会員先生方のご協力が不可欠であることは改めて云うまでもありません。
 この度、第12期学会長の重責を担うにあたり、歴代の学会長を中心として築き上げられた現在の比較眼科学会を、動物眼科学の知識習得の場としてより進化させるために微力ながら頑張っていく所存です。この場をお借りして会員の先生方のご支援を再度お願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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